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2026/04/13

チームビルディング研修の効果とは?何がどう変わるのかを100社の実績で解説【2026年版】

チームビルディング研修の効果は、参加者が仲良くなることではありません。では何が変わるのか。100社6,000名超の研修現場から、効果が現れる3つの階層と時間軸、効果が出る研修と出ない研修の分かれ目、そして特別なツールを使わずに効果を測る3つの指標を整理しました。

目次

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チームビルディング研修の効果とは?「仲が良くなること」ではありません

チームビルディング研修の効果は、参加者どうしが仲良くなることではありません。効果として残るのは、お互いが何を大事にして働いているかを知っている状態、そして相手の話に評価ではなく質問を返せる状態です。この2つが揃うと、会議の発言者が増え、悪い情報が早く上がるようになります。当日の盛り上がりではなく、3か月後の職場の様子で判断してください。

この記事では、チームビルディング研修で実際に何が変わるのか、効果が出る研修と出ない研修は何が違うのか、そして効果をどう測ればよいのかを整理します。株式会社クック・ビジネスラボは、三菱商事・AWS・PwCをはじめとする100社以上、累計6,000名以上の研修を担当してきました。その現場で繰り返し確認できていることをお伝えします。

チームビルディング研修そのものの定義や進め方はチームビルディング研修とは何かを解説した記事に、費用の相場はチームビルディング研修の費用・料金相場にまとめています。本記事は「何がどう変わるのか」に絞ってお話しします。

チームビルディング研修で実際に何が変わるのか——3つの階層

効果は3つの階層で現れます。この順番を知っておくと、研修直後に「変わっていない」と早合点せずに済みます。

階層何が変わるか現れる時期
第1層:認知同僚が何を大事にして働いているかを知る研修当日
第2層:行動相手に質問する、承認を言葉にする1週間〜1か月
第3層:関係の質相談が発生する、悪い情報が早く上がる3か月〜半年

多くの企業が「効果がなかった」と判断するのは、第1層で止まってしまった場合です。当日は認知が変わり、感想も良い。しかし第2層の行動に移らないまま元に戻る。 第1層と第2層のあいだには段差があり、ここを設計で埋めないと効果は消えます。

段差を埋める方法は後述しますが、要点だけ先に言えば、研修の中で「質問する」「承認する」を実際に何度も繰り返させることです。知識として教えるのではなく、その場で使わせる。使った経験があれば、職場でも再現できます。

効果を4つの領域で整理する

現場で確認できている変化を、領域ごとに整理します。すべてが一度に起きるわけではなく、組織の状態によってどこから動くかは変わります。

領域研修前によくある状態変化として現れること
コミュニケーション会議の発言者が2〜3名に固定している発言者の数が増え、反対意見が出るようになる
心理的安全性分からないことを聞けない空気がある質問が増える。相談のハードルが下がる
意思決定悪い情報が確定してから上がってくる問題の兆候が早く共有され、対処コストが下がる
定着若手が理由を言わずに辞めていく辞める前に相談が来るようになる

このうち経営層に最も伝わりやすいのは3つ目です。心理的安全性の話を「働きやすさ」の文脈で説明すると経営層の関心を引きにくいのですが、 悪い情報が上がってこないリスク として説明すると、投資判断の対象になります。

4つ目の定着については、若手の離職理由が給与から働きがいへ移っている状況とあわせて見ると説得力が増します。データは若手が辞める理由と心理的安全性を扱った記事に整理しています。

効果が出る研修と出ない研修は、何が違うのか

同じ手法を使っても、結果は大きく分かれます。当社が100社以上の現場で確認してきた分かれ目は3つです。

全員が必ず発言する構造になっているか

グループディスカッション形式では、発言量に必ず偏りが生まれます。言語化が得意な数名が場を回し、残りは相づちを打つ側に回る。これは参加者の姿勢の問題ではなく、形式が生む構造です。

そして皮肉なことに、職場で問題を抱えているのは発言しない側であることが多い。その人たちが何を感じているかを誰も知らない状態こそが、変えたかったものだったはずです。 形式を変えないまま研修をしても、変えたい状態がそのまま再現されます。

交換される情報が属性ではなく価値観になっているか

自己紹介ゲームで交換されるのは、出身地や趣味といった属性情報です。会話のきっかけにはなりますが、仕事上の信頼にはつながりません。

配属後や日常業務で効く関係性とは、「この人は困ったときに相談していい人だ」と判断できる状態のことです。そのためには、相手が何を大事にして働こうとしているのかを知っている必要があります。

研修後に本人の手元に何が残るか

作品、写真、あるいは自分が語った言葉。何かが手元に残ると、3か月後の1on1や面談で振り返りの材料になります。何も残らない研修は、記憶が薄れた時点で終わります。

現場でよく見る「効果が出なかった」の正体

効果がなかったとご相談をいただく研修には、共通する特徴があります。当社が引き継いだ案件を見ると、多くは前年に実施した研修の内容が「面白かったこと」しか記録に残っていません。何を語り合ったのか、誰がどんな価値観を持っていたのかが残っていない。これでは翌年につながりません。

もうひとつよく見るのが、参加者を「変えるべき対象」として設計してしまっているケースです。研修の冒頭で人事や経営から「このままではいけない」というメッセージが伝えられると、参加者は守りに入ります。守りに入った状態では本音は出ません。

当社が事前ヒアリングで確認するのは、この2点です。前回の研修で何が残っているか、そして参加者にどう案内するつもりか。プログラムの中身より先に、この2つを整えるほうが結果への影響は大きくなります。

失敗のパターンをより網羅的に知りたい方はチームビルディング研修の失敗例7類型をご覧ください。

効果はいつ現れるのか——当日・3か月後・1年後

時間軸を持っておくと、社内での説明がしやすくなります。

当日 は、参加者の表情と発言量で分かります。普段発言しない人が話し始めたかどうかが最初の指標です。ただしこの段階の高揚感は、効果ではなく体験の印象です。ここで判断しないでください。

1か月後 には、行動レベルの変化が出始めます。会議での質問が増える、Slackやチャットでの反応が変わる、といった形です。逆に1か月経って何も変わっていない場合は、第1層で止まっている可能性があります。

3か月後 が本命です。相談の発生件数、悪い情報が上がるまでの時間、エンゲージメントサーベイの自由記述。この時点での変化が、投資判断に使える成果です。

1年後 に見るべきは定着率です。ただし離職には研修以外の要因も多く絡むため、研修単独の成果として説明するのは慎重にしてください。他施策とあわせた文脈で語るほうが誠実です。

効果をどう測るか——3つの指標

当日のアンケートは満足度が高く出ます。そのため「よかった」で終わりやすく、社内報告で説得力を持たせにくいという相談を多くいただきます。当社では次の3点を見ることをおすすめしています。

  • 会議での発言者数の分散。参加人数に対して実際に発言した人が何人だったかを、研修前後で数回分だけ記録する
  • 相談・1on1の発生件数。関係の質が上がった職場では、相談が増えます
  • エンゲージメントサーベイの自由記述。スコアより先に、記述の量と具体性が動きます

1つ目は最も手軽で、しかも説得力があります。特別なツールは不要で、会議に同席して数を数えるだけです。研修前に2回、研修後に2回記録すれば、変化が数字として示せます。

注意点がひとつあります。 関係の質が上がった職場では、ネガティブな情報の報告件数がいったん増えることがあります。 言いにくかったことを言えるようになるためです。数字だけを見て失敗と判断しないよう、報告時に前提を添えることをおすすめします。

測定を始めるタイミングにも注意点があります。研修の直前に慌てて記録を取ろうとすると、その会議自体が「観察されている会議」になり、普段と違う状態が記録されてしまいます。研修が決まった段階、できれば1か月以上前から数え始めてください。3回分の記録があれば、ばらつきを均した比較ができます。

記録する項目は3つで十分です。参加人数、実際に発言した人数、そして会議の所要時間。この3つを並べておくと、研修後に「発言者が増えたのに会議は長くなっていない」という形で示せることがあります。これは意思決定の質が上がったことを示す、説得力のある材料になります。

投資対効果を数値で説明する枠組みについてはレゴ研修の投資対効果(ROI)を科学で解説した記事にまとめています。

100社6,000名の現場で確認できていること

当社の研修は、主要都県庁向け研修の参加者アンケート(2025年実施)で満足度4.71/5.0点、推奨率96%という評価をいただいています。そしてリピート率は約80%です。

数字の中で最も意味があるのは、この リピート率約80% だと考えています。満足度と推奨率は研修当日の評価ですが、リピートは3か月後・1年後に効果を実感した企業だけが選ぶ行動だからです。翌年も予算を確保して再び依頼するという判断は、当日の高揚感では起きません。

当社代表の森琢也は、トヨタ系大手自動車部品メーカーのデンソーで経営企画・事業企画に約10年従事したのち、2016年にレゴ®シリアスプレイ®の国際認定資格を取得しました。研修を発注する側にいた経験があるため、「実施したという記録」で終わる研修と、実際に職場が変わる研修の差がどこにあるかを、依頼側の目線でも理解しています。

レゴ®シリアスプレイ®が効果を出しやすい理由

当社が用いているレゴ®シリアスプレイ®メソッドは、先ほど挙げた3つの分かれ目を構造的に満たします。

参加者はブロックで作品をつくり、その作品を手がかりに語ります。話す前に作るので、話す内容を思いつく必要がありません。作品を指差しながら説明すればよい。この一手間が、言語化が得意な人だけが得をする構造を崩します。結果として、普段発言しない人が話し始めます。

交換される情報も変わります。「働くうえで大事にしていること」を作品にすると、同じテーマでも6人が作るものは6通りです。全員が違うものを作っているので、聞く側は自然と質問したくなる。この「聞きたくなる」状態が、質問と承認のスキルを育てる土台になります。

そして作品と、そこで語られた言葉が手元に残ります。写真に撮って配布しておけば、3か月後の面談でそのまま使えます。

心理的安全性がどう高まるのかを因子レベルで知りたい方は心理的安全性の4つの因子から解説した記事をご覧ください。

効果が出やすい組織・出にくい組織

最後に、率直な線引きをお伝えします。

効果が出やすいのは 、課題が既に言語化されている組織です。「会議で意見が出ない」「若手が辞める」「部署間の連携が悪い」など、具体的な困りごとがある場合、研修の設計を課題に合わせられるため変化が出やすくなります。人数は少ないほうが深く入ります。

効果が出にくいのは 、目的が定まらないまま実施する場合です。年度末の予算消化や、前年もやったからという理由で始まった研修は、参加者にも目的が伝わりません。また、経営層や管理職が参加せず「現場だけ変われ」という構図で実施した場合も、変化は続きません。上が変わらない組織で、下だけが変わり続けることはないからです。

当社が事前ヒアリング(60分程度)で必ず「3か月後にどうなっていてほしいか」を伺うのは、この線引きを最初に確認するためです。

効果を高めるために、研修の前に社内でやっておくこと

研修の成否は、当日より前にかなりの部分が決まっています。予算も追加の手間もかからず、効果を押し上げられることが3つあります。

第一に、 参加者への案内文を書き直すこと です。「業務命令で研修を実施します」という案内と、「普段話す機会のない同僚が何を考えているかを知る時間にします」という案内では、当日の入り方がまったく違います。前者は身構えさせ、後者は開かせます。案内文は人事が最も簡単に変えられる変数でありながら、最も見落とされています。

第二に、 経営層または部門長に、冒頭5分だけ参加してもらうこと です。挨拶ではなく、なぜこの時間を取るのかを自分の言葉で話してもらいます。忙しくて全編は難しくても、5分なら調整できることが多い。この5分があるかないかで、参加者が本気になる度合いが変わります。

第三に、 研修後の予定を先に押さえておくこと です。3か月後の1on1や振り返りの場を、研修の日程を決めるときに一緒にカレンダーへ入れてしまう。後から設定しようとすると、忙しさに紛れて実施されません。効果が第2層で止まる原因の多くは、この後工程が組まれていないことにあります。

当社では事前ヒアリングの際、プログラムの内容と同じ時間をかけてこの3点を確認しています。中身を磨くより、前後を整えるほうが結果への影響が大きい場面は少なくありません。

よくある質問(FAQ)

Q. チームビルディング研修の効果は、どのくらい続きますか?

A. 何も手を打たない場合、行動レベルの変化は3〜6か月で薄れていきます。持続させるには、研修で語られた内容を記録し、3か月後の1on1や面談で参照する仕組みを用意してください。当社のリピート率が約80%であるのは、年1回のペースで実施することで関係の質を維持している企業が多いためです。

Q. 効果が出たかどうかは、何で判断すればよいですか?

A. 会議での発言者数の分散、相談・1on1の発生件数、エンゲージメントサーベイの自由記述の3点です。とくに1つ目は特別なツールが不要で、研修前後に2回ずつ会議に同席して数を数えるだけで変化が示せます。当日のアンケート満足度だけでは判断しないでください。

Q. 1回の実施でも効果はありますか?

A. あります。ただし第1層(認知)と第2層(行動)までで、第3層(関係の質)まで定着させるには間隔を置いた複数回の実施を推奨しています。予算の都合で単発になる場合は、研修後に社内で30分の振り返りの場を設けるだけでも持続性が変わります。

Q. 参加者が乗り気でない場合でも、効果は出ますか?

A. 出ます。開始5分で印象が変わることがほとんどです。講義を聞く形式ではなく全員が手を動かす形式のため、受け身でいられる時間がありません。累計6,000名以上の受講者の中で、途中で離脱される方はほとんどおらず、研修満足度は4.71/5.0点、推奨率は96%という評価をいただいています。

Q. 効果が出やすいのは、どんな組織ですか?

A. 課題が既に言語化されている組織です。「会議で意見が出ない」「若手が辞める」といった具体的な困りごとがあると、研修の設計を課題に合わせられるため変化が出やすくなります。人数は少ないほうが深く入り、1グループ5名(通常4〜6名)で編成します。

Q. 逆に、効果が出にくいのはどんな場合ですか?

A. 目的が定まらないまま実施する場合です。年度末の予算消化や、前年もやったからという理由で始まった研修は、参加者にも目的が伝わりません。また経営層や管理職が参加せず、現場だけを対象にした場合も変化が続きにくくなります。

Q. 管理職と一般社員を同じ場に入れても、効果はありますか?

A. あります。むしろ推奨する場合が多くあります。作品を介して語る形式では、役職ではなく作品が主語になるため、上下関係が発言量に与える影響が小さくなります。ただし人事評価に直結する話題は扱わない設計にすることが条件です。事前ヒアリングでこの線引きを確認します。

Q. リモート中心のチームでも効果はありますか?

A. あります。むしろ対面の機会が少ないチームほど、相互理解の場をつくる価値が高くなります。作品の写真と語られた言葉を記録して各自に配布しておくと、離れた場所にいるメンバーに連絡を取るきっかけとして機能します。実施形式は個別にご相談ください。

Q. 研修の効果を、上司や経営層にどう報告すればよいですか?

A. 「働きやすさが向上した」ではなく「悪い情報が上がるまでの時間が短くなった」という表現に置き換えてください。経営層にとっては、意思決定の質とリスク管理の話になるため関心を持たれやすくなります。会議の発言者数の変化を数字で添えると、さらに説得力が増します。

Q. 効果を持続させるために、研修後に社内でできることはありますか?

A. 3つあります。研修で語られた内容を記録して残すこと、3か月後の1on1でその記録を参照すること、そして全員を「さん付け」で呼ぶなど日常の最小の行動を1つ決めることです。いずれも予算は不要で、研修翌日から始められます。

Q. 「仲良くなっただけ」で終わらないためには、何が必要ですか?

A. 交換される情報を、属性から価値観に変えることです。出身地や趣味の共有は会話のきっかけにはなりますが、仕事上の信頼にはつながりません。「働くうえで大事にしていること」を語り合う設計にすると、相談できる関係に変わります。この設計の有無が結果を分けます。

Q. 他の研修施策と組み合わせると、効果は上がりますか?

A. 上がります。とくに相性がよいのは、ハラスメント研修やコンプライアンス研修との組み合わせです。禁止事項を教える研修と、関係の質を上げる研修は設計の型が違うため、並べて実施すると補い合います。実施時期をずらして年間計画に組み込む方法をご提案しています。

まとめ——効果は当日ではなく、3か月後の職場に現れます

チームビルディング研修の効果は、参加者が仲良くなることではありません。お互いが何を大事にして働いているかを知っている状態と、相手に評価ではなく質問を返せる状態。この2つが揃うと、会議の発言者が増え、悪い情報が早く上がるようになります。

効果は認知・行動・関係の質の3階層で現れ、当日・1か月後・3か月後と時間差があります。多くの企業が「効果がなかった」と判断するのは、第1層で止まった場合です。ここを埋めるのは、全員が発言する構造、属性ではなく価値観の交換、そして手元に残るものという3つの設計です。

測るときは、会議での発言者数の分散、相談の発生件数、サーベイの自由記述を見てください。この3つが動いていれば、その研修は機能しています。

研修の設計でお困りのことがあれば、まずは無料相談・お問い合わせからお気軽にご連絡ください。実際の場の空気を確かめてから社内提案されたい場合は、オンライン体験会(約2時間・5,000円/人・税別)もご利用いただけます。プログラムと料金の詳細は研修の内容・料金ページにまとめています。

【著者情報】

森琢也(もり たくや) 株式会社クック・ビジネスラボ代表取締役 中小企業診断士/レゴ®シリアスプレイ®認定ファシリテーター 講師歴15年以上・累計100社以上・6,000名超の研修実績 企業概要・講師プロフィール