2026/03/24
成功循環モデルとLSP研修|「関係の質」を高めて組織の成果を変える実践ガイド
「チームの議論が深まらない」「心理的安全性が低い」「部署間の連携が弱い」——これらの組織課題は、すべて「関係の質」の低さから始まっています。本記事では、ダニエル・キム氏が提唱した成功循環モデルの理論的背景と、関係の質を高める実践手法として累計6,000名以上に提供してきたLSP(LEGO® SERIOUS PLAY®)研修との接続を、具体的なメカニズムと導入事例とともに徹底解説します。
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チームの議論が深まらない、心理的安全性が低い、部署間の連携が弱い——こうした組織の悩みは、すべて 「関係の質」 の低さから始まっています。組織心理学者ダニエル・キム氏が提唱した 「成功循環モデル」 は、関係の質を起点に思考・行動・成果が連鎖的に向上することを示したフレームワークです。そしてその「関係の質」を最も効率的に高める手法として、クック・ビジネスラボが累計100社以上・6,000名以上に提供してきたのが LEGO® SERIOUS PLAY®(LSP)研修 です。本記事では、成功循環モデルの理論的背景からLSPとの接続、具体的な導入効果まで徹底解説します。
成功循環モデルとは何か──提唱者・理論背景・4つの要素
ダニエル・キムが体系化した組織変革の原理
成功循環モデル(Success Cycle Model)は、MIT組織学習センターの研究者であり、システム思考の第一人者でもある ダニエル・H・キム(Daniel H. Kim)氏 が体系化したフレームワークです。「なぜ、同じ戦略を実行しても成果が出るチームと出ないチームが生まれるのか」という問いへの答えとして提唱されました。
キム氏は、組織の成果は「戦略の質」よりも「関係性の質」によって決まると主張しました。この考え方は、ピーター・センゲの「学習する組織」の概念とも深くつながっており、現在では国内外の組織開発・人材育成の領域で広く参照されています。
成功循環モデルを構成する4つの要素
成功循環モデルは、以下の4つの質が連鎖的に向上していく構造を持っています。
- 関係の質(Quality of Relationships):メンバー同士が互いを尊重し、率直に対話できる状態
- 思考の質(Quality of Thinking):多様な視点で考え、創造的なアイデアが生まれる状態
- 行動の質(Quality of Actions):自発的・積極的に挑戦し、協働できる状態
- 成果の質(Quality of Results):チームとして目標を達成し、継続的に成果を生み出す状態
これらは独立した要素ではなく、 「関係の質 → 思考の質 → 行動の質 → 成果の質」 という順番で連鎖します。成果が出れば関係の質がさらに高まり、好循環が生まれます。逆に、関係の質が低いまま成果だけを求めると「バッドサイクル」に陥り、指示・命令・責任追及が繰り返される悪循環になります。
| サイクルの種類 | 起点 | 結果 |
|---|---|---|
| グッドサイクル | 関係の質を高める | 思考・行動・成果が連鎖的に向上 |
| バッドサイクル | 成果だけを求める | 指示・命令・責任追及の悪循環 |
成功循環モデルが今の組織に刺さる理由
近年、このモデルが改めて注目される背景には、次のような組織環境の変化があります。
- リモートワーク・ハイブリッド勤務による対話機会の減少
- 世代間ギャップ(Z世代・ミレニアル世代・バブル世代の混在)
- 職務の専門性細分化による「縦割り」文化の固定化
- 心理的安全性への関心の高まり(Google「プロジェクト・アリストテレス」の影響)
- 多様性・インクルージョン推進による価値観の多様化
これらすべてが「関係の質」の課題に集約されます。成功循環モデルは、こうした複雑な組織課題を「関係の質という一点から解きほぐす」ための理論的な地図として機能します。
なぜ従来の研修では「関係の質」が変わらないのか
座学型・ディスカッション型の構造的限界
多くの企業が試みるのは、研修・ワークショップ・チームビルディングイベントです。しかし「やった感はあるが、職場に戻ったら元通り」という経験をお持ちの担当者も多いのではないでしょうか。
その理由は、従来型の手法が持つ 構造的な限界 にあります。
- 座学型研修:知識は得られるが、関係性そのものは変わらない
- ディスカッション形式:声の大きい人・地位の高い人に発言が偏る
- 懇親会・食事会:一時的な親近感は生まれても、深い相互理解には至らない
- アクティビティ型イベント:楽しさは共有されても、価値観や思考の違いは見えない
「関係の質」を本当に変えるには、次の5つが揃う必要があります。
- 否定されない安全な場があること
- 全員が対等に参加できる構造があること
- 思考や価値観の違いが可視化されること
- 相手への深い関心(質問)が生まれること
- 体験として記憶に残り、行動変容につながること
これらをすべて満たす手法として注目されているのが、 LSP(LEGO® SERIOUS PLAY®) です。
LSP(LEGO® SERIOUS PLAY®)とは何か──理論・背景・開発の経緯
レゴ社とIMDが共同開発した組織開発メソッド
LSPは、レゴ社とスイスのビジネススクール IMD(International Institute for Management Development) が共同開発した、組織開発のためのワークショップメソッドです。1990年代後半、当時のレゴ社CEOキエル・カーク・クリスチャンセン氏が「経営チームの意思決定の質を高めたい」という目的でIMDの研究者たちと組んで開発しました。
現在では、世界中の企業・大学・政府機関で採用され、認定ファシリテーターが世界100カ国以上に存在します。
コンストラクショニズム:LSPの理論的根拠
LSPの背景には、教育学者 シーモア・パパート(Seymour Papert)氏 が提唱した 「コンストラクショニズム(Constructionism)」 という学習理論があります。
コンストラクショニズムの核心は次の3点です。
- 人は 「手を動かしながら考える」 ことで、より深く理解する
- 言語化しにくい価値観・感情・認知が、 「モノを使った表現」 によって可視化される
- 作ったものを 「他者に説明する」 プロセスで、思考がさらに整理・深化する
この理論が「レゴブロックで作る→語る→対話する」というLSPの構造に直結しています。
「手を信じる」──LSP独自のキーワード
LSPには 「手を信じる(Trust Your Hands)」 という考え方があります。人の脳は、手を動かしながら思考するとき、通常の言語的思考では到達できない深い層にアクセスできます。
実際、神経科学の観点からも「手を使う活動は前頭葉を活性化し、創造的思考を促す」という知見が示されています。テーマに向き合いながら直感的にブロックを選んで組み合わせると、自分でも気づいていなかった価値観や優先順位が作品として現れることがあります。LSPはその「気づき」を対話の起点にします。
LSPが「関係の質」を劇的に高める5つのメカニズム
メカニズム① 潜在意識の可視化と言語化
通常のコミュニケーションでは、人は「言えること・言いやすいこと」しか口にしません。しかしLSPでは、ブロックで作品を作り、その意味を説明することで、 普段は言語化されていない本音・価値観・無意識の優先順位 が自然に引き出されます。
「なぜこのパーツを選んだのか自分でも不思議だったが、説明しているうちに自分の本音に気づいた」
このような感想は、6,000名以上の受講者から繰り返し聞かれます。表面的な議論では掘り起こせない深い層に触れることができるのがLSPの最大の特長です。
メカニズム② 全員参加の平等な構造
LSPでは全員がブロックで作品を作り、全員が発表します。持ち時間は均等に与えられます。
これにより、
- 声の大きい人・地位の高い人に発言が偏らない
- 内向的な参加者も「作品を通じて」自分を表現できる
- 上司・部下・先輩・後輩が対等な立場で語り合える
という構造が生まれます。心理的安全性は「宣言」するものではなく、 「構造によって生み出す」 ものです。LSPはその構造を研修の設計に組み込んでいます。
メカニズム③ 質問力と承認力が自然に育つ
LSPでは、作品の説明後に参加者同士が質問し合います。「このパーツはどういう意味ですか?」「なぜここに置いたのですか?」という質問は、相手の世界観に純粋な関心を持つことを促します。
この体験が積み重なることで、
- 相手の背景・価値観に興味を持つ姿勢が育つ
- オープンクエスチョンで相手を深く理解するスキルが身につく
- 承認(相手の良さに気づき、言葉にする)の習慣が生まれる
「質問力と承認力」はマネジメントの核心スキルですが、座学で教えても行動変容には至りません。LSPの体験的プロセスの中で自然に育まれます。
メカニズム④ 共同作品によるチームの共通理解の形成
LSPの後半では、個々の作品を持ち寄り、グループ全員で 「共同作品(Shared Model)」 を作ります。自分の価値観・視点を物理的につなぎ合わせるこのプロセスは、 「共通目標の構築」 を体験として経験させます。
「全員の考えが1つの形になることで、チームとして何を目指すかが初めて腑に落ちた」
という声は、チームビルディング研修では特に多く聞かれます。議事録やスライドに書かれたビジョンより、自分たちの手で作り上げた作品の方が深く記憶に残ります。
メカニズム⑤ 体験型学習による行動変容の持続
エドガー・デールの「経験の円錐(Cone of Experience)」が示すように、人の記憶定着率は「読む・聞く」より「体験する・教える」の方が格段に高くなります。
LSPは座って話を聞くのではなく、 手を動かし・作り・語り・聞く という身体全体を使った学習です。この体験は研修後も記憶に残り、「あの研修でチームメンバーの〇〇さんがこんな作品を作っていた」という個別の記憶として保持されます。これが職場に戻ってからの関係性の変化を後押しします。
成功循環モデル×LSP:なぜこの組み合わせが組織に効くのか
LSPの各要素が成功循環モデルのどこに作用するか
| LSPの要素 | 作用する質 | 具体的な変化 |
|---|---|---|
| 全員平等な発表構造 | 関係の質 | 心理的安全性の形成・上下関係を超えた対話 |
| 潜在意識の可視化 | 関係の質・思考の質 | 本音の共有・価値観の多様性への理解 |
| 質問・承認のプロセス | 思考の質・関係の質 | 多角的な視点の獲得・傾聴力の向上 |
| 共同作品(Shared Model) | 行動の質 | 共通目標の腑落ち・自発的な協働意欲の醸成 |
| 体験型学習 | 成果の質 | 記憶・行動の定着・研修効果の持続 |
LSPは「体験を楽しむ場」ではありません。成功循環モデルが示す 「関係の質」という起点を、構造的かつ体験的に変えるための手法 です。
グッドサイクルの「最初の一押し」としてのLSP
多くの組織が直面する問題は、「どこから手をつければグッドサイクルが回り始めるのかわからない」という点です。
成果から逆算しても関係の質は変わりません。関係の質を高めることが先決ですが、日常業務の中でそのきっかけをつくることは容易ではありません。
LSP研修はその 「最初の一押し」 として機能します。非日常的な体験の中で、参加者が互いの価値観・思考・感情に触れ、「この人はこんなことを考えていたのか」という新鮮な驚きと理解が生まれます。この体験が、グッドサイクルを回し始める出発点になります。
どのような場面・目的でLSPが活用されているか
クック・ビジネスラボでは、2016年の認定取得以来、以下のような多様な場面でLSPを活用してきました。
新入社員・内定者研修
入社直後は「関係の質」の基盤を作る最も重要なタイミングです。LSPを活用したチームビルディングにより、
- 承認し合える職場文化の土台が研修初日から形成される
- 心理的安全性が早期に確立され、報告・相談がしやすくなる
- 同期との強い絆が生まれ、離職リスクが下がる
内定者研修での活用も増えており、入社前から関係の質を育てるアプローチとして効果が出ています。
管理職・リーダー研修
マネジメント層にとってのLSPは、 「発問スキル」と「承認スキル」の体験的習得 の場として機能します。
- 部下の本音を引き出すオープンクエスチョンを体感的に学ぶ
- 多様な価値観を持つメンバーへの理解と承認の言語化を練習する
- 部署横断的な視点を持ち、組織全体の関係の質を高める意識が育まれる
東京都をはじめとする都県庁向け管理職研修でも採用されており、推奨率96%・満足度4.71 / 5.0点(2025年実施参加者アンケート)という評価をいただいています。
部署横断プロジェクト・チームビルディング
異なる専門性・部署・バックグラウンドを持つメンバーが集まるプロジェクトチームでは、初期の関係構築が成果に直結します。
- 視点の違いを「問題」ではなく「資産」として受け入れる文化が生まれる
- 協働への前向きな態度が自然に形成される
- プロジェクトの共通ゴールが全員の腑に落ちる
組織ビジョン・理念の浸透
経営層が策定したビジョン・ミッションが「社員に届いていない」という悩みは多くの企業に共通しています。LSPを使ったビジョン浸透ワークショップでは、
- 参加者が自分の言葉でビジョンを解釈し、作品として表現する
- 組織の方向性を「自分ごと」として腑に落とすプロセスが生まれる
- 経営層と現場の対話が活性化し、相互理解が深まる
導入を検討している担当者が気になるポイント
「本当に効果が出るのか」という疑問に答える数字
クック・ビジネスラボの実績数値をご覧ください。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 累計導入企業数 | 100社以上 |
| 累計受講者数 | 6,000名以上 |
| リピート率 | 約80% |
| 研修満足度 | 4.71 / 5.0点(主要都県庁向け・2025年実施) |
| 研修推奨率 | 96%(同上) |
| 認定取得年 | 2016年 |
リピート率約80%という数字が示すのは、「一度やったら終わり」ではなく、 効果を実感した企業が継続的に研修を活用している ということです。
プログラムの時間・費用の目安
| プログラム | 時間 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 半日プログラム | 3〜4時間 | 200,000円〜(税別) |
| 1日プログラム | 6〜7時間 | 350,000円〜(税別) |
| オンライン体験会 | 約2時間 | 5,000円/人(税別) |
参加人数は3名〜対応可能で、200名以上の大規模研修の実績もあります。問い合わせから実施まで通常4〜8週間のリードタイムをいただいています(条件次第で1週間以内も対応可能)。
まとめ:関係の質が変われば、組織は自然と成果を生み出す
成功循環モデルが示す通り、組織が継続的に成果を生み出すスタート地点は 「関係の質」 にあります。しかし、日常業務の中で関係の質を意図的に高めることは簡単ではありません。
LSP研修はその課題に対して、
- 全員が安心して参加できる構造(心理的安全性)
- 潜在意識の可視化(本音の共有)
- 質問・承認のプロセス(深い相互理解)
- 共同作品による共通目標の腑落ち(チームの一体感)
- 体験型学習による行動変容の持続(効果の定着)
という、関係の質を高めるために必要なすべての要素を、1回の研修の中で体験させることができます。
「関係の質を変えたい」「チームに本当の対話を生み出したい」とお考えの方は、ぜひ一度クック・ビジネスラボにご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 成功循環モデルとはどのようなフレームワークですか?
A. ダニエル・H・キム氏が提唱した組織変革のフレームワークで、「関係の質→思考の質→行動の質→成果の質」が連鎖的に向上するモデルです。関係の質を起点にグッドサイクルを生むか、成果だけを求めてバッドサイクルに陥るかが組織の分岐点とされています。
Q. 成功循環モデルのグッドサイクルはどうすれば回り始めますか?
A. 起点となる「関係の質」を意図的に高めることが最初のステップです。LSP研修はその「最初の一押し」として機能し、1回の研修で心理的安全性・本音の共有・相互理解を体験的に構築することができます。クック・ビジネスラボでは3名〜対応可能です。
Q. LSP研修は心理的安全性の向上に本当に効果がありますか?
A. はい。全員が作品を作り・全員が発表する均等な構造が、発言に偏りを生まない環境を作ります。東京都をはじめとする都県庁向け研修での参加者推奨率は96%(2025年実施)で、「安心して話せる場が生まれた」という声が多数寄せられています。
Q. 成功循環モデルを活用した研修は何時間かかりますか?
A. 半日プログラムで3〜4時間、1日プログラムで6〜7時間が目安です。スキルビルディング(ウォームアップ)から本ワーク・共同作品・振り返りまでを含みます。短時間での体験会(約2時間)もあり、まず試してみたい場合にも対応しています。
Q. 組織の「バッドサイクル」に陥っているかどうかはどう判断しますか?
A. 「指示・命令が多くなった」「成果を出せないことへの責任追及が増えた」「メンバーが受け身になった」「会議で本音が出なくなった」といった兆候が複数当てはまる場合、バッドサイクルに入っている可能性が高いです。LSP研修は関係の質の診断と改善を同時に行えます。
Q. 管理職・リーダー層にはどのような効果がありますか?
A. 発問スキル・承認スキルを体験的に習得できます。部下の本音を引き出すオープンクエスチョンの実践、多様な価値観への理解と承認の言語化など、マネジメントに直結するスキルが1日の研修で身につきます。満足度は4.71 / 5.0点(2025年実施)です。
Q. コンストラクショニズムとはどのような理論ですか?
A. 教育学者シーモア・パパート氏が提唱した学習理論で「人は手を動かしながら考えることで理解が深まる」という考え方です。LSPはこの理論を組織開発に応用しており、言語だけでは伝わらない価値観や思考を作品として可視化・共有することを可能にしています。
Q. 部署横断プロジェクトの立ち上げ時に活用できますか?
A. 非常に効果的です。異なる部署・専門性を持つメンバーが初期に関係の質を高めることで、プロジェクト全体の協働効率が上がります。クック・ビジネスラボの導入企業のうち約80%がリピートしており、プロジェクト立ち上げ時の定期的な活用例も多数あります。
Q. ビジョン・理念の浸透にLSPを使うことはできますか?
A. はい。参加者が自分の言葉でビジョンを解釈し、作品として表現することで「自分ごと化」が促されます。経営層が言葉で伝えるだけでは届かなかった理念が、体験を通じて腑に落ちるプロセスを生み出せます。100社以上の導入実績の中にも、ビジョン浸透を目的とした活用例が含まれます。
Q. 新入社員研修でLSPを使うタイミングはいつが最適ですか?
A. 入社直後または内定者段階が最適です。関係の質の基盤づくりが最も効果的なのは、関係性がフラットな初期段階であるためです。入社当日〜1週間以内の実施がもっとも関係構築効果が高く、その後の職場定着・早期離職防止にもつながります。
Q. リモートワーク環境でも成功循環モデルの改善に活用できますか?
A. はい。テレワーク・ハイブリッド勤務で対話機会が減少した組織では、「関係の質」が特に損なわれやすい状況です。対面でのLSP研修を年1〜2回実施することで、リモート環境でも関係の質を意図的に維持・向上させることができます。まずはオンライン体験会(約2時間・5,000円/人・税別)もご利用いただけます。