2026/03/17
レゴ®シリアスプレイ®研修は誰にでもできる?~ファシリテーターが直面するリアルな課題と対応策~
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レゴ®シリアスプレイ®研修では、「参加者全員が安心して参加できる場づくり」 がファシリテーターの最重要ミッションです。しかし現場では、レゴへの苦手意識・比較による自己否定・議論の停滞など、事前には読めない課題が必ず起こります。本記事では、累計6,000名以上の受講実績を持つクック・ビジネスラボが、現場でどのような工夫と対応を行っているかをリアルにお伝えします。
ファシリテーターが想定外と感じる場面とは
レゴ®シリアスプレイ®(以下LSP)の認定ファシリテーター資格を取得する方は、ほぼ例外なくこの手法に深く共感し、レゴブロック自体にも強い親しみを持っています。
「自分がこれほど好きなのだから、参加者も楽しめるはずだ」
この直感は多くの場合正しいのですが、100人いれば100通りのバックグラウンドがあります。現場を重ねると、ファシリテーター側の思い込みが思わぬ形で参加者を不安にさせてしまうケースがあることに気づかされます。
意外とレゴにハードルを感じる人もいる
研修の場では、次のような声をいただくことが少なくありません。
- 「今まで一度もレゴブロックを触ったことがない」
- 「小さい頃、欲しかったけど買ってもらえなかった」
- 「手先が不器用で、何かを作るのが昔から苦手」
ファシリテーターにとってレゴは「誰もが馴染み深い玩具」ですが、参加者には「初めて触れる、よくわからないもの」である場合があります。そういった方は内心「みんなは慣れているのに、自分だけついていけなかったらどうしよう」という不安を抱えたまま着席しているのです。
この不安を放置したまま研修を進めると、 “参加できない人” を生み出すことになってしまいます。
対応策:丁寧なスキルビルディングから始める
LSP研修では毎回、 スキルビルディング(=練習ワーク) を必ず実施します。スキルビルディングとは、「ブロックを使って何かを作ることへの慣れ」を段階的に積み上げていくウォームアップのことです。
ファシリテーター養成研修でもスキルビルディングは学びますが、現場での実践においては「参加者の属性・緊張度・場の空気」によって、その方法や順序を柔軟に調整することが求められます。
- ブロックに触るだけの簡単な課題からスタートする
- 「正解はない」「うまく作る必要はない」を繰り返し伝える
- ファシリテーターが率先して"不完全な作品"を見せる
- 参加者同士の作品を比較せず、多様性を称える言葉を使う
スキルビルディングに十分な時間を確保すること。これは「研修の準備運動」ではなく、 研修効果を左右する本番の一部 です。
「考えずに手を動かす」が難しい人への対応
LSPの重要なキーワードのひとつが 「手を信じる」 です。
テーマをぼんやりイメージしながら、論理的な思考を脇に置いて手を動かす。そうすることで潜在意識が呼び起こされ、言語化できていなかった気づきや発見が作品として現れてくる。これがLSPの核心的なメカニズムです。
しかし現場では、次のような反応を示す参加者がいます。
「何も考えないで手を動かすなんて、そんな無茶な話はできません」
「頭を空っぽにしろと言われても、余計に気になって逆効果です」
これは決して否定的な態度ではなく、真剣に取り組もうとしているからこその反応です。特に、 論理的思考を得意とする方・几帳面な方・完璧主義の方 に多く見られる傾向があります。
対応策:「なるべく」という緩衝言葉を使う
「何も考えないでください」という指示は、かえって強いストレスになることがあります。そのため、次のように言い換えます。
- 「なるべく考えすぎないよう、手を動かしてみてください」
- 「分析や評価は後回しにして、まず作ってみましょう」
- 「どんな作品になっても正解です。完成を目指さなくて大丈夫です」
「完全に無思考」を求めるのではなく、「思考のギアを落とす」ことを促す。このわずかなニュアンスの違いが、参加者の参加障壁を大きく下げます。
研修で成果を感じていただくためには、完璧な手順を踏むことより、 参加者が安心してプロセスに入れること の方がはるかに重要です。

ファシリテーターの対応力が問われる場面
スキルビルディングを経て研修が本格的に動き出すと、今度は別の課題が浮上してきます。参加者同士の相互理解を深める場面で、ファシリテーターの対応力が試されます。
他人との比較が自己否定につながる
LSP研修の大きな特徴のひとつは、参加者がそれぞれ異なる作品を作り、その違いから学び合う点にあります。同じテーマで作っても、人によって全く異なる作品が生まれる。その多様性こそがLSPの醍醐味です。
しかし現場では、この「違い」が比較・評価に転じてしまうケースが少なくありません。
- 「自分の作品はシンプルすぎて、なんか貧しい感じがする」
- 「あの人の作品は大きくて迫力があるのに、自分のはこじんまりしている」
- 「配色が暗くて、自分の内面が陰鬱に見えるみたいで恥ずかしい」
これは参加者の性格の問題ではなく、 日常的に「比較=評価」を行うことに慣れてしまった思考習慣 によるものです。学校教育でも職場でも、人は常に何かと誰かを比べて優劣をつける文化の中にいます。
LSPはそのための場ではありません。しかし無意識のうちに、参加者の一部は比較による自己否定の罠にはまってしまうのです。
対応策:「違いを楽しむ」を研修テーマに明示する
クック・ビジネスラボでは、 「違いを楽しむ」 を研修の中心テーマのひとつに位置づけ、研修の冒頭・中盤・終盤と繰り返し参加者に伝えます。
- 「シンプルなのか、複雑なのか」→ どちらも個性
- 「広がりのある作品か、凝縮された作品か」→ どちらも意味がある
- 「多彩な色か、基調色が統一されているか」→ どちらも美しい
「良い・悪い」ではなく「ただ違う」という視点を繰り返し伝え、参加者がその違いの中に自分と他者の特徴を発見できるよう誘導します。
この意識を疎かにすると、LSP研修の提供価値は大幅に狭まってしまいます。「作品を批評しない」ではなく「違いを積極的に楽しむ」という 能動的な姿勢 を場に根付かせることが、ファシリテーターの腕の見せどころです。
グループで問いが生まれず、議論が活性化しない
LSP研修において、作品の共有・紹介は比較的スムーズに進みます。しかし、「他の人の作品について質問してみてください」というフェーズになると、 グループ全体が沈黙してしまう ケースがあります。
これは特に次のような場合に起きやすい傾向があります。
- 参加者同士の関係が浅い(初対面・異部署混在)
- 階層差がある(上司と部下が同席している)
- 「正しい質問をしなければ」という心理的プレッシャーが働いている
- 研修慣れしておらず、「発言すること」自体にハードルを感じている
LSP研修の効果は、メンバー同士の質問と対話によって大きく左右されます。作品を作るだけでは得られない「相互理解の深さ」は、この対話のフェーズで生まれるのです。
対応策:質問の切り口を具体的に提供する
沈黙が続く場合、ファシリテーターは次のような工夫を行います。
- 「この部分のブロックの色に意味はありますか?」など、質問例を具体的に示す
- 「この作品で一番気になったパーツはどこか」という観点を提示する
- ファシリテーター自身が最初の質問者となり、場の雰囲気を和らげる
- 「どんな質問でも構いません。思ったことを素直に」と繰り返し伝える
質問集の準備・観点の提示・ハードルを下げる言い回し。これらはファシリテーターの経験値と引き出しに大きく依存します。
LSP研修は、「レゴブロックで何かを作る体験」に見えますが、その裏では 説明の順序・ワークの設計・場の雰囲気づくり に、細やかな技術的工夫が詰め込まれています。
誰にでもできそうで、実はとても難しい。それがLSP研修のファシリテーションです。
ファシリテーターの質が研修効果を左右する理由
LSP研修の品質は、ファシリテーターのスキルに大きく依存します。同じプログラムでも、ファシリテーターの経験・引き出し・場の読み方によって、参加者の満足度や学びの深さは大きく変わります。
クック・ビジネスラボでは、2016年の認定取得以来、 累計100社以上・6,000名以上 の受講実績を積み重ねてきました。その現場経験から培われた対応力が、 リピート率約80%・研修満足度4.71 / 5.0点(主要都県庁向け研修参加者アンケート・2025年実施) という数字に反映されています。
| 課題・場面 | ファシリテーターの対応 |
|---|---|
| レゴへの苦手意識・不安 | 段階的なスキルビルディングで全員を同じスタートラインに |
| 「考えないで手を動かす」への拒否反応 | 「なるべく」という緩衝言葉で参加障壁を下げる |
| 他人との比較による自己否定 | 「違いを楽しむ」を研修テーマに掲げ、繰り返し伝える |
| 対話・質問フェーズでの沈黙 | 質問例・観点の提示とファシリテーター自ら場を開く |
研修導入を検討している方へ
「レゴで研修なんて、うちの会社でできるの?」「参加者に受け入れられるだろうか?」という不安は、多くの担当者様が最初に感じることです。
しかし、クック・ビジネスラボが積み上げてきた100社以上の実績が示すように、 年齢・職種・役職を問わず、多様な参加者が深い気づきと対話を体験しています。 初めてLSPに触れる方への配慮は、すべてのプログラムに標準で組み込まれています。
まずはお気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q. スキルビルディングとはどのようなものですか?
A. 研修の冒頭に行うウォームアップワークで、参加者がレゴブロックに慣れるための段階的な練習です。「正解はない」「うまく作る必要はない」ということを体験を通じて実感していただきます。所要時間は研修全体の約15〜20%を目安に設定しています。
Q. レゴが苦手・初めての人でも問題なく参加できますか?
A. はい、問題ありません。クック・ビジネスラボでは毎回のスキルビルディングで、ブロック未経験の方も含め全員が同じスタートラインに立てる準備を行います。6,000名以上の受講者の中には初めて触れる方も多く、最終的な満足度は4.71 / 5.0点(2025年実施アンケート)です。
Q. 上司と部下が同席する場合、発言しにくい雰囲気になりませんか?
A. 階層差がある場合は、グループ編成・ファシリテーターの言葉がけ・ワーク設計で対応します。作品を通じた対話は直接的な言葉より心理的ハードルが低く、上下関係に関わらず本音が引き出しやすいのがLSPの特長です。
Q. 内向的・発言が少ない参加者への対応はどうしていますか?
A. LSPでは「作品が語る」ため、口頭での発言が苦手な方でも作品を介して自分の考えを表現できます。ファシリテーターが一人ひとりの作品に声をかけることで、自然に発言を引き出す工夫を行っています。
Q. 参加者が比較・自己否定をしてしまう場合、どう対処しますか?
A. 研修の冒頭から「違いを楽しむ」を明示的なテーマとして掲げ、中盤・終盤でも繰り返しお伝えします。ファシリテーターが「シンプルな作品の価値」「多彩な作品の価値」を具体的に言語化することで、優劣意識を早期に解消します。
Q. ファシリテーターの経験年数・実績を教えてください。
A. 代表の森琢也は2016年に認定を取得し、以来累計100社以上・6,000名以上の研修を実施してきました。東京都をはじめとする都県庁向け研修も担当しており、研修推奨率96%(2025年実施参加者アンケート)という評価をいただいています。
Q. 研修中に参加者が途中で「もうやりたくない」となった場合はどうしますか?
A. まずファシリテーターが個別に声をかけ、何が不安や抵抗感の原因かを確認します。多くの場合、スキルビルディングの丁寧な実施と「正解がない」という安心感の提供で解消されます。強制参加は研修効果を損なうため、無理のない範囲で関われる形を提案します。
Q. 研修のプログラムは毎回同じですか?カスタマイズできますか?
A. 組織の課題・参加者属性・実施目的に応じてカスタマイズします。チームビルディング・理念浸透・マネジメント強化など、目的別に最適なワーク設計を行います。まずヒアリングの上、プログラムをご提案します。
Q. 研修の所要時間はどのくらいですか?
A. 半日プログラムは3〜4時間、1日プログラムは6〜7時間が目安です。スキルビルディングを含むウォームアップから本ワーク・振り返りまでを含んだ時間設計となっています。
Q. 研修後に参加者が内容を忘れてしまわないようにするための工夫はありますか?
A. 研修の終盤に「自分の作品から得た気づき」を言語化・記録する振り返りの時間を設けています。手と頭の両方で処理した体験は記憶に残りやすく、研修後も参加者自身の言葉として定着しやすいのがLSPの特徴です。
Q. ファシリテーターが複数名必要になる場合はありますか?
A. 参加者が30名を超える規模の場合、補助ファシリテーターの配置を検討することがあります。1グループの推奨人数は5名(4〜6名)のため、グループ数が増えるほど丁寧なフォローが求められます。詳細はご相談の際にお伝えします。
Q. 研修を実施するために必要な会場の条件はありますか?
A. ブロックを広げて作業できるテーブルと、参加者全員が着席できるスペースが必要です。立ち歩いて互いの作品を見られるレイアウトが理想的です。貸会議室・社内会議室でも対応可能で、詳細は事前確認の上ご案内します。