2026/05/11
「管理職の罰ゲーム化」を解くのは、肩書きではなく対話の質——疲弊する中間管理職に効く研修設計
「管理職の罰ゲーム化」が2025〜2026年の重要組織トレンドとして注目されています。若手の働き方改革のしわ寄せを受け、スマートに見せながら限界まで働く中間管理職の疲弊は深刻です。本記事では、疲弊・孤立・ロールモデル不在という三重の課題を「対話の質を変えること」で解く研修設計の方法を、累計100社以上の実績をもとに解説します。

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中間管理職が「なりたくない役職」になっている。パーソル総合研究所が選定した2025〜2026年の重要組織トレンドの一つに、「管理職の罰ゲーム化」が挙げられています。業務量・責任・板挟みの三重苦に加え、 若手の働き方改革のしわ寄せが管理職に集中するという新しい疲弊の構造 が生まれています。本記事では、疲弊する中間管理職の実態と、対話の質を変えることで管理職の心理的安全性・ロールモデル不在・燃え尽きを解決する研修設計の方法を解説します。
「管理職の罰ゲーム化」とは何か——2025〜2026年の最重要組織課題
「管理職の罰ゲーム化」という言葉が、人事・組織開発の現場でリアルな問題として語られるようになっています。
かつて管理職は「出世の証」であり、「会社から認められた存在」を意味しました。部下を率いて成果を出し、次のポジションへ——それが多くの社員の描くキャリアの王道でした。
しかし今、その構図が崩れています。パーソル総合研究所の調査によれば、管理職を「やりたくない」と思っている一般社員の割合は年々増加しており、特に20〜30代の若手ほどその傾向が顕著です。
なぜ管理職は「罰ゲーム」になったのか。その構造を正確に理解することが、対策の出発点になります。
疲弊する中間管理職が直面する「3つの壁」
壁①:上からの圧力——経営の言葉を現場に翻訳し続ける重さ
経営が打ち出すビジョン・戦略・数値目標は、現場には直接届きません。管理職が「翻訳者」として、経営の言語を現場の言語に変換し続ける役割を担います。
しかしこの翻訳作業は、経営の意図を正確に理解しながら、現場の実情を踏まえて落とし込む高度な判断を常に求められます。そして「なぜこの目標なのか」を部下から問われたとき、管理職は「自分も腹落ちしていない」という内心の葛藤を抱えたまま答えなければなりません。
壁②:下からの期待——「頼れる上司」であり続けることの限界
部下は管理職に「答えを持っている人」「相談に乗ってくれる人」「守ってくれる人」を期待します。1on1が増え、部下のメンタルケアが管理職の役割として求められるようになった今、管理職は「自分自身が誰かに相談したい」と思いながらも、部下の期待に応え続けています。
弱みを見せてはいけない。疲れていることを悟られてはいけない——この自己検閲が、管理職の精神的疲弊を加速させます。
壁③:横の孤独——「同じ立場の仲間」と本音で話せない
上とも下とも違う立場である管理職同士が、本音で語り合える場がありません。同僚の管理職は評価や昇進をめぐる競争相手でもあり、「同じ悩みを持っている」と分かっていても、弱みを開示することへの抵抗感が働きます。
その結果、管理職は「組織の中で最も孤独な立場」になっていきます。
若手の「働き方改革」のしわ寄せが、管理職に来ている
ここに、近年特有の新しい疲弊の構造が加わっています。
多くの企業が「若手の働き方改革」を推進し、残業規制・有給取得促進・ハラスメント防止に取り組んできました。これ自体は正しい方向性です。しかし、その結果として何が起きているか——実態を聞くと、 仕事量が減ったわけではなく、若手がやらなくなった分を管理職が引き受けている というケースが少なくありません。
コンサルティング会社に勤める学生時代の同級生から聞いた話が印象的でした。「若手の残業は減った。でもプロジェクトの締め切りは変わらない。自分が夜中にやるしかない」——これは一人の管理職の話ではなく、多くの組織で静かに起きている構造的な問題です。
若手を守るために設計された制度が、管理職を守るセーフティネットを持っていない。この非対称性が、管理職の疲弊を加速させています。
「スマートに見せながら、限界まで働く」という新しい苦しさ
管理職の疲弊には、もう一つの次元があります。「見え方」のコントロールです。
かつては「遅くまで残って働く姿」が評価の対象になりました。バリバリ働く先輩が職場のロールモデルとして機能し、「あの人みたいになりたい」という憧れが管理職へのキャリア動機になっていました。
しかし今の職場では、その「がんばっている姿」を見せることがむしろマイナスに評価されます。「効率よく働けていない証拠」「部下に同じことを強いるのでは」という目で見られるリスクがある。だから管理職は、 ハードに働きながら、スマートに働いているように見せる という二重の負荷を抱えています。
傍から見ると「余裕がある人」に見えるように振る舞いながら、内側では限界に近い状態——このギャップが、管理職の孤立と疲弊をさらに深刻にします。
「ロールモデルが見えない」という若手の声の背景には、こうした管理職の「見えない疲弊」があります。
なぜ「ロールモデル不在」が組織にとって致命的なのか
管理職が疲弊し、「かっこいい姿」を見せられないとき、組織に何が起きるか。
次のリーダー候補が手を挙げなくなります。
「管理職になると、あんなに大変なのか」「プレイングマネージャーで自分の仕事をしながら、部下の面倒まで見るなんて無理だ」——こうした観察が積み重なると、優秀な若手ほど「管理職にはなりたくない」という結論を出します。
これが数年後の「管理職候補の枯渇」という問題につながります。管理職を増やせない組織は、成長の上限を迎えます。
ロールモデルの問題は、現在の管理職の話ではなく、 組織の5年後・10年後の問題 です。
「対話の質」が管理職の疲弊を解く
管理職の疲弊・孤立・ロールモデル不在——これらの問題に共通する処方箋があります。それは 「対話の質を変えること」 です。
ここで言う「対話の質」とは、情報共有や指示伝達ではありません。 「本音が語れる」「弱みを開示できる」「正解ではなく自分の言葉で語れる」 という質の対話のことです。
管理職が疲弊するのは、「本音を語れる場」がないからです。上にも下にも横にも語れない本音が積み重なることで、精神的な疲弊が深まります。
逆に言えば、管理職が安全に本音を語れる場があるとき、以下の変化が起きます。
- 孤立感が解消される:「自分だけが大変なわけではなかった」という正常化効果が生まれる
- 相互学習が起きる:他の管理職のマネジメントの工夫・視点を聞くことで、自分のアプローチを更新できる
- 心理的安全性が上がる:管理職が安全に語れる体験をすることで、自分のチームにも同じ場をつくろうとする
- ロールモデルが見えてくる:「完璧なマネージャー」ではなく「悩みながらも誠実に向き合っている先輩」が、リアルなロールモデルになる
「対話の質を変える」とは、管理職を救うことであり、同時に組織の未来を救うことです。
心理的安全性は「管理職自身」から始まる
「心理的安全性を高めよう」という取り組みが多くの組織で進んでいます。しかしその多くは、「部下が安全に発言できる場をつくること」として設計されています。
しかし本質を問うならば、 管理職自身が心理的安全性を感じていない組織では、チームの心理的安全性は機能しません。
管理職が「弱みを見せてはいけない」「正解を持っていなければならない」という圧力を感じているとき、その緊張感は必ずチームに伝播します。「上司が常に完璧でいようとしている」チームでは、部下も「失敗を報告しにくい」「本音を言えない」という状態になります。
管理職の心理的安全性と、チームの心理的安全性はつながっています。チームの心理的安全性を高めたいなら、まず管理職が「本音で語れる場」を持つことが先決です。
疲弊した管理職に効く研修設計の3原則
原則①:評価・査定と完全に切り離す
管理職が本音を語るためには、「これは評価とは無関係の場だ」という安心感が不可欠です。人事評価・昇進・査定と結びついた場では、管理職は「正解らしい答え」しか語りません。
研修の冒頭に「今日の場は評価に一切影響しません」と明示することが、参加者の防衛反応を解除する最初の一手です。
原則②:「答えを出す場」ではなく「語る場」として設計する
疲弊した管理職に必要なのは、「もっと正しいマネジメントを知ること」ではありません。「自分がどう感じているか」「何に悩んでいるか」を安全に語ることです。
研修の設計が「知識を学ぶ場」ではなく「内省と対話の場」になっているかどうかが、効果の分かれ目です。
原則③:体験が「共通言語」になる設計にする
管理職向け研修の落とし穴は、「研修で感動したが、翌日には忘れた」という結末です。体験型の研修設計では、「あの場で○○さんがこんなことを語っていた」という共通記憶が生まれ、それが研修後の横のつながりの土台になります。
研修後も「あのときの体験」が会話の起点になる設計——これが研修を「イベント」ではなく「組織変革の起点」にする鍵です。
レゴ®シリアスプレイ®が疲弊した管理職に効く理由
クック・ビジネスラボが提供するレゴ®シリアスプレイ®(LSP)を活用した管理職向け対話型研修は、上記3原則をすべて実装した設計になっています。
「手を動かす」ことが、言語化の壁を越える
疲弊した管理職は「言葉にできない疲れ」を抱えていることが多いです。「うまく言えないけれど、なんとなく限界に近い」という感覚は、言語化が得意な管理職でも言葉にしにくいものです。
ブロックを使って「今の自分の状態を形にする」というプロセスは、言葉よりも先に「形」として感覚を外在化させます。作品を見ながら語ることで、普段は出てこない本音が自然に現れます。
「全員が語る」構造が、平等な場をつくる
LSP研修では全員が作品をつくり、全員が発表します。部長であっても、課長であっても、「自分の作品を持って、自分が語る」という立場は変わりません。
この対等性が、普段の会議では生まれない「フラットな場」をつくります。役職・年功に関係なく、全員が「聴かれる側」になる体験が、管理職の孤立感を一気に和らげます。
「正解がない場」が、管理職を解放する
管理職は「正解を持っていなければならない」という強迫観念に近いプレッシャーを感じています。LSPでは「正解がない」ことが前提です。どんな作品も、その人の経験・感覚から生まれた唯一のものとして扱われます。
「正解を出さなくていい場」は、疲弊した管理職にとって、おそらく職場でも家庭でも経験したことのない種類の安堵をもたらします。
10〜12月のフォローアップ研修としての活用
管理職向け対話型研修は、 10〜12月の上半期振り返り・下半期スタートのタイミング に特に効果を発揮します。
この時期の管理職は、上半期の疲れが蓄積しながら、下半期の目標達成へのプレッシャーが重なる「二重の負荷」がかかる時期です。「チームを引き続き引っ張らなければ」という使命感と、「正直、もう少し楽になりたい」という本音が交錯しています。
このタイミングに「管理職が本音で語れる場」を設けることで、以下の効果が得られます。
- 上半期の経験を内省し、「何が機能して・何が機能しなかったか」を整理できる
- 他の管理職の下半期への意気込みや工夫を聞くことで、自分のアプローチを更新できる
- 「自分だけが大変なわけではない」という正常化効果で、下半期への活力が生まれる
- 管理職同士の横のつながりを強化し、下半期の部門間連携の土台をつくる
新入社員向けフォローアップ研修(10〜12月)と並行して、管理職向けの対話型研修をセットで設計する企業が増えています。「育てる側も整える」という視点が、組織全体の健全性を支えます。
実施概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 対象 | 中間管理職・マネージャー・新任管理職(階層混在も可) |
| 参加人数 | 3名〜50名以上(1グループ推奨5名・通常4〜6名) |
| 半日プログラム | 3〜4時間 / 200,000円〜(税別) |
| 1日プログラム | 6〜7時間 / 350,000円〜(税別) |
| オンライン体験会 | 約2時間 / 5,000円/人(税別) |
| リードタイム | 問い合わせから通常2〜4週間(1週間以内は要相談) |
まとめ:管理職を「救う」ことが、組織の未来を救う
「管理職の罰ゲーム化」は、管理職個人の問題ではありません。若手の働き方改革のしわ寄せ・ロールモデルの不在・スマートに見せながら限界まで働くという二重の疲弊——これらは組織の設計の問題であり、人事・組織開発が正面から向き合うべき課題です。
そして、その解決の鍵は「対話の質を変えること」にあります。管理職が安全に本音を語れる場が生まれたとき、孤立が解消され、心理的安全性が上がり、リアルなロールモデルが見えてきます。
体験型の対話研修は、その「場」を半日で生み出すことができます。「管理職をもっと支えたい」「組織の疲弊をなんとかしたい」と感じている方は、まずオンライン体験会(約2時間・5,000円/人・税別)でその空気を体感してみてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 「管理職の罰ゲーム化」とは具体的にどういう状態ですか?
A. 管理職という役割が「業務量・責任・板挟み・孤独」の四重苦として認識され、若手から忌避されている状態です。パーソル総合研究所が2025〜2026年の重要組織トレンドに挙げており、特に若手の働き方改革のしわ寄せが管理職に集中する構造が問題視されています。
Q. 管理職の心理的安全性を高める研修と、チームの心理的安全性を高める研修は別物ですか?
A. 本質的にはつながっています。管理職自身が「本音を語れない」状態では、チームにも心理的安全性は生まれません。まず管理職が安全に語れる場を持つことが、チームの心理的安全性を高める最短経路です。クック・ビジネスラボでは両方を見据えた設計をご提案しています。
Q. 疲弊した管理職が研修に参加する意欲を持てるか心配です。
A. 「また研修か」という反応が出るのは自然です。ただしLSP研修は「座学を聞く研修」とはまったく異なります。手を動かしながら考え、語る体験は、疲弊した管理職にとって「久しぶりに本音を出せた」という解放感をもたらします。参加後に「やってよかった」という声が9割以上を占めます。
Q. 管理職向け研修は、上司(役員・部長)同席で実施すべきですか?
A. 目的によります。管理職が「本音を語る場」として設計する場合は、評価者である上司不在での実施を推奨します。上司が同席すると「見られている」意識が生まれ、本音が出にくくなります。役員・部長クラスは別日に役員合宿として実施する設計が最も効果的です。
Q. ロールモデルがいない組織で、管理職研修はどう機能しますか?
A. ロールモデルがいない組織ほど、LSP研修が効果的です。「完璧なマネージャー」ではなく「悩みながらも誠実に向き合っている先輩」がリアルなロールモデルになります。管理職同士が本音で語り合う場で「あの人もこんなことで悩んでいた」という体験が、組織内のリアルなロールモデルを可視化します。
Q. 10〜12月に管理職向け研修を実施するのが効果的な理由は何ですか?
A. 上半期の疲れが蓄積しながら下半期のプレッシャーが重なる時期だからです。このタイミングに「本音で語れる場」を設けることで、上半期の内省・正常化効果による活力回復・下半期の横連携強化が同時に実現できます。新入社員フォローアップ研修と並行して実施する企業が増えています。
Q. 管理職研修の効果を経営層・人事部に説明するためのデータはありますか?
A. クック・ビジネスラボでは稟議・上申用の参考資料(導入実績・アンケートサマリー・プログラム概要)をご提供しています。主要都県庁向け研修では満足度4.71 / 5.0点・推奨率96%(2025年実施)、累計100社以上・6,000名以上の実績データをご活用いただけます。
Q. 疲弊している管理職に「また研修がある」と伝えると反発が出ます。どう案内すればいいですか?
A. 「学ぶ研修」ではなく「語る場」として案内することが効果的です。「今日は知識を学ぶのではなく、皆さんの本音を出す場です」「評価とは完全に切り離しています」という一言が、反発を大きく和らげます。事前案内文のテンプレートもご提供しています。
Q. 管理職向け対話型研修の実施後、何をフォローアップすればいいですか?
A. 研修後1〜2週間以内に、管理職同士の「ピアグループ(月1回・30〜60分)」を定例化することをおすすめします。研修で生まれた横のつながりを日常に持続させることで、1回の研修が「組織変革の起点」になります。アクションシートの共有・進捗確認の仕組みもご提案しています。
Q. 中小企業でも管理職向け対話型研修は有効ですか?
A. 非常に有効です。中小企業の管理職は「プレイングマネージャー化」が進んでいることが多く、疲弊の構造はむしろ大企業より深刻なケースも多いです。3名から実施できるため、管理職が2〜3名しかいない組織でも対応可能です。少人数ほど対話が深まりやすく、半日(200,000円〜税別)から始められます。
Q. 問い合わせから研修実施まで、どのくらいの期間が必要ですか?
A. 通常2〜4週間が目安です(1週間以内は要相談)。10〜12月のフォローアップ研修シーズンはご希望が集中するため、9月中を目安にご相談ください。「まず内容の相談だけしたい」「オンライン体験会に参加したい」という段階からも対応しています。